企業は一般に、これら全てを自社でやろうとしてきた。アイデアを考え、それを製造する手段に投資して、実際に製造し、販売する。

しかし技術が進歩するにつれて、必要な投資のレベルやますます高度化する専門性を考えたとき、全てを自社でこなすことは難しくなる一方だということは明らかだった。

チャンはTSMCを、このプロセスの第2と第3の段階(製品を製造する機械の設計とチップの製造)に集中させようと考えた。顧客はチップのアイデアと用途を持つ企業だ。

彼らはアイデアをチャンの新しい会社に持ち込み、最適の製造方法について取り決めを結ぶ。TSMCはチップの製造だけをして、顧客はそのチップを自分たちの必要に応じて使用する。

消費者や小規模な小売業者など、最終ユーザーへの販売をTSMCは行わない。TSMCブランドの製品は世の中に存在しないが、おそらくどこの家庭にも、TSMCが主要部品を製造した製品がある。

第1と第4の段階を手放すことによって、半導体の製造に最適なプロセスと設備の生産に、重点的に取り組むことができたのだ。

TSMCの工場を訪れると、専門性が極めて高い半導体市場のニーズに応えることがいかに難しいか、ひと目で分かる。求められる技術レベルの純然たる高さと、莫大な資本と技術的知識に驚嘆させられる。

1台のカメラに半導体の製造プロセスのさまざまなステージが映し出されており、その複雑さに圧倒される。工場のフロアに人の姿はほとんど見えない。要求される清潔さはほぼ不可能なレベルだ。

難所は把握済み「中国は何もできない」
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