化石から判断すると、6600万年前の南極は温暖な気候で植物が生い茂り、ガンやカモの祖先が進化するには理想的な環境だった。

「南極は現生鳥類の最も初期の段階について多くを物語っていることが、この化石で裏付けられた」。論文共著者でオハイオ大学教授のパトリック・オコナー氏は声明でそう解説している。

恐竜時代の終わりまでさかのぼって、世界の南極以外の場所で見つかった鳥類を現代の鳥類と比べると、同じ鳥とは思えないほど違いが大きいという。

「マダガスカルやアルゼンチンのように、白亜紀後期の鳥類の化石が確かな記録として残る数少ない場所では、歯や長い骨の尾をもつ奇妙な鳥類が生息していた。今は絶滅してしまったそうした種は、現生鳥類とは遠く離れた関係しかない」とオコナー氏は解説する。

「南半球の最果ての地、特に南極では、全く違うことが起きていたようだ」

そうした理由から、南極大陸が現代の生態系に残した痕跡は古生物学者にとって非常に関心の高いテーマとなっている。

論文共著者でカーネギー自然史博物館の古生物学者、マシュー・ラマンナ氏は「南極は多くの意味で、恐竜時代の生命を解明しようとする人類にとって最後の未開拓地となっている」と結論付けた。

(翻訳:鈴木聖子)

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