婚姻数の減少

もう1つの課題は婚姻にある。日本をはじめとする東アジアの社会では、出生数と婚姻件数の間には高い相関性がある。日本人の婚姻件数は2023年、この90年間で初めて50万組を割り込んだ

ヘルトグは婚姻制度に関して、伝統的な価値観がいまだに強い影響を及ぼしている点を強調した。

「日本や韓国における婚姻件数の推移は、経済状況や、それに関連する男女の役割分担によって顕著な影響を受けている」と、ヘルトグは本誌に語った。ヘルトグは、「男性が一家の大黒柱になるべきという伝統的な価値観」を例に挙げ、低収入の男性たちが、結婚を先延ばししたり、完全にあきらめたりする傾向がある点を指摘した。

「その他の重要な要因としては、『子どもが年老いた親の面倒を見るべき』とする、家庭に関する規範がある。そして、数十年にわたって出生率が低い状態が続く社会で、こうした規範に沿った交渉が難しくなっている点が挙げられる」と、ヘルトグは付け加えた。

老親介護の責任は、伝統的に長男とその配偶者に課せられてきた。だが、若い世代の女性たちには、義両親よりも自身の両親を優先したいという希望があり、軋轢が生じる場合もある、とヘルトグは指摘した。

(翻訳:ガリレオ)

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