<大自然の中で遭遇した決死の事態が、人間なんて取るに足りない存在だと教えてくれた>

アメリカでは昨年、大統領選が終わって、今は誰もがこの国の未来を案じている。だがそこにはある種の人間中心主義、つまり自然との関わりにおける私たち人間の思い上がりがあるのではないか。筆者は先頃、そこのところを改めて自然から教えられた。

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それは最高に素敵な秋の一日だった。空はどこまでも青く、黄色く染まったポプラの葉がそよ風に舞っていた。

パートナーのナタリーと私は、カヌーでブラックフット川を下っていた。カヌーはいい。日頃の憂さを忘れて自然に溶け込める。パドルから滴る水に差す日の光。時に豪快、時に優しい水の音。川岸の湿った土や木々の匂い......。

しばらく進んだところで一休み。シーズン最後のスキニーディップ(全裸での遊泳)に挑んだが、水が冷たいのですぐに川から上がり、体を拭きつつ岸辺に転がる小石に目を転じた。珍しい石との出合いも、こういう川下りの楽しみの1つだから。

ハート形の石、鳥の形をした石、人の顔みたいな石。楕円形、三角形、あるいは卵形の石。赤みがかった石、エメラルドグリーンの石、カナリア色の石。

拾って、どれを持ち帰るか決めるのに夢中で、私たちは対岸でカラスが耳障りなほど大きな声で鳴き出したのに気付かなかった(ちなみにナタリーは地質学者だ)。

パンツも履いていないまま「あるもの」を握り締めた
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