それでもバイデンの支持率が、40%周辺を突き破ることはなかった。党内の圧力を受けて、ハリスに大統領候補のバトンを渡した後もそうだった。

GDPや雇用統計は好調でも、物価上昇は依然として人々の暮らしに重くのしかかり、バイデン政権に対する評価はマイナスのままだった。それは副大統領であるハリスの選挙戦を最後まで厳しいものにした。

大統領候補として全米のスポットライトを浴び、自分を売り込む時間が3カ月しかなかったことも、ハリスにとっては大きなハンディとなった。これに対してトランプは、ある意味で8年間(大統領としての4年間と、下野してからの4年間)スポットライトを浴び続けてきた。

共和党予備選でフロリダ州のロン・デサンティス知事や、トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー元サウスカロライナ州知事ら有力候補を大差で破り、自分はアメリカ史上最高の大統領の1人だったと豪語すれば、(たとえ嘘でも)メディアで大きく報じられた。

国内で激しい物価上昇に直面し、世界を見渡せば2つの戦争が同時進行するなか、コロナ禍前のトランプ政権は平和で経済的にも豊かだったと懐かしがる有権者は少なくなかった。そうやってトランプになびく流れは、ヘイリーのように党内で対立していた政治家さえもトランプの嘘をのみ、支持を表明したことで、一段と強くなっていった。

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