テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)がヨーロッパやアフリカ、中東で残虐なテロ集団として悪名を轟かせるなか、昨年世界で最も人を殺したテロ集団はナイジェリアのイスラム過激派ボコ・ハラムであることが最新の報告書でわかった。

 米メリーランド大学の集計を基にしてシンクタンク「経済・平和研究所」がまとめた今年の報告書「グローバル・テロリズム・インデックス」によると、ナイジェリア西部で武装闘争を続けるボコ・ハラムは昨年6644人を殺害。ISISは6073人だった。

 しかも昨年ボコ・ハラムに殺された犠牲者数は、前年の4倍以上に増えている。テロの形態は自爆テロ、町や村落の焼き打ちなどだ。国際的な人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、ボコ・ハラムの「殺人、拷問、強姦」等のテロ行為は「人道に対する罪」にあたると告発。警戒のためナイジェリア北東部の3州では非常事態宣言が続いている。

イスラム国家建設を目指し1万7000人を殺害

 ボコ・ハラムは、所在不明の指導者アブバカル・シェカウが今年3月に流したと言われる音声メッセージでISISへの忠誠を誓い、今年に入ってからもテロを継続している。その後、グループの名称を「イスラム国西アフリカ州」へと変更した。

 今週17日に北東部の都市ヨラで起きた爆弾テロで30人以上が死亡した事件でも関与が疑われているほか、翌日には北部の都市カノの携帯電話市場の雑踏で、2人の女による自爆テロがあり、少なくとも15人が死亡した。女のうち1人は11歳の少女だった。

 今年の報告書によると、世界のテロ活動は過去最高水準になっていて、発生件数は2000年の約10倍に増えている。昨年テロで殺害された人は3万2658人で、前年から80%増加した。そして昨年発生したテロのうち75%が、パキスタン、ナイジェリア、アフガニスタン、シリア、イラクの5カ国に集中している。