車内だけでなく、街頭においてもイギリスは世界一の監視カメラ網を構築してきたが、重要なのは設置とセットでプライバシー保護に配慮してきたということだ。つまり、監視カメラの設置自体を問題にするのではなく、個人データとしての画像の取り扱いを問題にしてきたわけだ。

例えば、2000年には、「データ保護法」に基づき、データ保護コミッショナーが初めて法的強制力のある「服務規程」を制定した。これには、個人データとしての画像の収集に関してさまざまな基準が設けられた。例えば、一般の人々に監視カメラがあることを知らせるため、見えやすく読みやすい標識を設置し、そこに責任団体名、設置目的、連絡先を記載することが求められた。また、撮影された者から開示請求があった場合には、約2000円以下の手数料で40日以内に対応することや、必要があれば第三者の画像をぼかしたり覆い隠したりして保護することが求められた。

こうした先進的な事例を参考にして、日本においても、設置の法制化とセットで画像の保護基準の法制化が望まれる。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます