<自民党の総裁に選出された高市早苗氏は、「責任ある積極財政」との考えを明らかにしている。高市氏の編著書『国力研究』からも、これから何を打ち出すかが予想できる>

10月4日の自民党総裁選で、高市早苗前経済安全保障担当相が決選投票で小泉進次郎農林水産相を破り、総裁に選出された。

9月8日の当コラムで、小泉氏と高市氏の勝利確率は五分五分だと述べた。総裁選直前まで伝統メディアでは小泉氏優勢との報道がほとんどだったが、筆者は最後まで五分五分だと考えていた。

コラムで述べたように、官僚組織の意向に左右されるメディアの偏向が明らかな一方、「高市氏が次のリーダーとして望ましいと考える自民党関係者が多い」との筆者の認識が正しかったようである。

高市氏は、第二次安倍政権による政策転換の成果を踏まえて、その意義を深く理解している。そして、経済に加えて、外交、安全保障などの分野でも一流のブレーンからの教えを受けていることが、10人の有識者との質疑応答を収録した高市氏の編著書『国力研究――日本列島を、強く豊かに』(産経新聞出版、2024年8月 ※書名をクリックするとアマゾンに飛びます)で明らかになっている。

経済成長率を大きく左右するマクロ安定化政策(金融財政政策)に政府が責任を持つことは常識だが、岸田政権や石破政権ではこの点がほとんど重視されていなかった。この意味で、高市政権の誕生により、アベノミクス再起動と位置づけられる政策転換が起きるだろう。

高市氏は「責任ある積極財政」との考えを明らかにしている。先に紹介した著書で、元内閣官房参与の本田悦朗氏は、財政政策を機動的に使うことが重要との認識が米国の経済学会で主流な見解となっている事実を紹介している。

経済をあたため続ける「高圧経済」が必要
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