財政政策については、国民民主党が主張する基礎控除引き上げに伴う減税が実現するか否かである。この減税政策は、インフレ率に応じた税制見直しという必然的な政策措置であると同時に、家計所得を押し上げる対応である。
日本では財政政策が緊縮的に作用して成長を抑制する可能性も
一方で、自民・公明の与党側は所得税が課される年収の最低ラインである「103万円の壁」の見直しについて、123万円への引き上げを税制改正大綱で明記した。これでは、マクロ的に成長率を押し上げる効果は全くないと試算される。国民民主党が主張する178万円との差は依然大きく、与野党の折衝の行方は流動的である。
更に、与党の予算案に対して教育無償化政策を条件に賛成する考えを、日本維新の会の前原誠司共同代表は示している。世論の支持を得た国民民主党による「正論」に自民党は抗せないだろうと筆者は予想していたが、日本維新の会が新たなプレーヤーとして割り込んでくる予想外の展開となった。
仮に、与党と維新の会による妥協によって2025年度予算が成立した場合は、財政政策は2024年前半同様に緊縮的に作用して経済成長を抑制するだろう。
金融政策、財政政策がいずれも成長率を高めるのが望ましい経済状況にあるが、それは期待しづらい。このため、2025年の日本経済は、外部環境の変化に脆弱なままだろう。
米国経済の成長が続く中で、日本経済はどうなるのか。景気後退には至らないにしても、潜在成長率を下回る小幅なプラス成長程度となり、2%インフレ安定の実現も道半ばにとどまるにちがいない。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
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