多くのスクープ記事を手がけた敏腕記者のヒルディ(ジャック・レモン)は、そんな記者生活に嫌気が差して、会社を辞めて恋人と共にシカゴを離れることを決意する。しかし編集長(ウォルター・マッソー)はこれを許さない。あの手この手で止めようとする。そんなときに脱走したはずの死刑囚の男が、記者クラブの部屋に逃げ込んできた。たまたま一人だったヒルディは、これは最後のスクープだと他の記者たちから彼を隠そうとする。待ちかねた恋人がやって来る。スクープのために彼女をヒルディから遠ざけようとする編集長。やがて他社の記者たちも死刑囚の存在に気付き始める。

基本はコメディーだ。それもかなりドタバタ。アクターズスタジオで演技を学んだダスティン・ホフマンやロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノなどがリアルな役作りならば、ジャック・レモンとウォルター・マッソーは、どの役をやってもレモンやマッソーだ。余裕たっぷり。まさしく芸なのだ。

同時に、本作がはらむ(前面ではないが)テーマは、ジャーナリズムの在り方と死刑制度の是非。改めて観返せば、その後の自分にとって、とても重要な要素が詰まっている一作だったことに気付く。

231212P42_MCM_02.jpg 『フロント・ページ』(1974年)

監督/ビリー・ワイルダー

出演/ジャック・レモン

   ウォルター・マッソー

   スーザン・サランドン

<本誌2023年12月12日号掲載>

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます