連合赤軍と対峙する警察に視点を置いた『突入せよ!「あさま山荘」事件』を見て、若松は激怒しながら本作を作ることを決意したという。

事件や事象を理解するには、被害側と加害側双方の視点が必要だ。でも世の多くの人は、加害側の物語を好まない。だから被害者意識が疑似の主語となって加害者のモンスター化が進む。冷血や残虐などの言葉が既成事実となる。でもそれは絶対に違う。純粋で善良だから危険なのだ。

公開時に、ラストについてあれはない、と言う人は僕の周囲でも少なくなかった。でも僕はこのラストを支持する。大切なことは個を保つこと。暴走する集団の空気を壊すほんの少しの勇気なのだ。

magmori220413_2 (1).jpg『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007年)

監督/若松孝二

出演/ARATA、坂井真紀、並木愛枝、地曳 豪

<本誌2022年4月12日号掲載>

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