<日本の国民負担率は今や46.5%にも達し、政府は「減税」「負担軽減」を訴える声に耳を貸さない。ガチョウもそろそろ暴れだすかもしれない>

【税務署の力】

二人の男が無人島に漂着した。一人は絶望的な表情を浮かべていたが、もう一人の男は楽観的な様子でこう言った。

「大丈夫。僕たちはきっと発見されるよ」

「どうしてそう言えるんだい?」

「今頃、必死になって僕を捜している連中がいるからね」

「どういうことだい?」

男が答えた。

「僕には5年分の税金の滞納があるんだ」

◇ ◇ ◇

日本で話題に上がることの多い消費税。同様の税は世界では「付加価値税」などと呼ばれるが、このような税を最初に導入したのは第2次大戦後のフランスというから、その歴史は意外と浅い。

ただし、同様の税の発想自体は、ルイ14世時代のフランスにまでさかのぼる。

当時の財務総監(財務大臣)であるコルベールは、「ガチョウから羽根を取るときは、一気にむしり取ってはいけない。適度に抜けば、ガチョウは暴れず、黙ったままでいる。むしろ満足した顔をする。これが徴税の極意だ」と述べ、国民から広く浅く徴税することを考えたという。

日本の消費税率は現在10%。一方、ヨーロッパ諸国は総じて税率が高く、デンマークやスウェーデン、ノルウェーでは25%、フランスは20%となっている。

ただし、国によって軽減税率の仕組みも異なるし、税の使われ方も違う。北欧諸国は税の負担が重い分、福祉や教育における支援が総じて充実している。

「聞く力」は一体どこに?

日本の場合、租税負担の比率と社会保障負担の比率を合わせた国民負担率(対国民所得比)は、2022年度で46.5%に達する。ちなみに1970年度の国民負担率は24.3%。

さらに現在、国民年金(基礎年金)保険料の納付期間を延長する案などを検討しているというから、お上はいかにも無慈悲である。

国民の将来への不安に不感症の政府では困る