朝鮮日報は保守系新聞であり、対日融和を進める尹政権の施策を正当化する意図を見るのは容易である。「野球をしていたからか、ほとんど差別されませんでした」とも、張本はインタビューで話している。しかし重要なのは、張本が自らの実績により差別や貧困を克服したように、韓国の人々もまた経済発展や国際的地位の向上により、過去の日本への否定的な認識を克服していくのかを問うことだ。
忘れてはならないのは、われわれの住む社会は、張本のような成功した人々によってのみ構成されているわけではないことだ。繁栄からこぼれ落ち、その結果、進歩系の野党を支持する人々が一定数おり、彼らに繁栄の結果としてプライドを持て、というのは酷に過ぎる。
だからこそ、成功から排除された人たちにどう向き合うかは、国内問題のみならず、対外意識を考える上でも重要になる。そしてそれは、尹錫悦政権がこれまで対立して来た人々との関係をも取り結ばなければならないことを意味している。
張本がインタビューで「真の男」とたたえた尹錫悦は、そんな成長の恩恵から排除された人たちに、どうやって「プライド」を与え、自らの対日政策の意義を理解させるのか。今後の日韓関係を左右するのは、韓国の国内政治になるのかもしれない。
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