[チューリヒ 4日 ロイター] - スイス政府は4日、欧州連合(EU)との関係性を規定する新たな条約の交渉を夏季休暇明けに持ち越すと発表した。
スイスとEUは、約100の個別協定で規定されている二国間関係を正式な条約に置き変える交渉にあたってきたが、ここ数週間で協議は行き詰まっていた。スイス政府は、英国のEU離脱によって条約交渉の妥結がより困難になったと指摘する。
会見を開いたスイスのカシス外相によると、交渉は労働市場のルールを巡り難航している。スイスは国内の労働市場と賃金、労働条件の保護を望む一方、EU側はEU単一市場へのアクセスを拡大するには正式な条約に合意する必要があると主張している。
スイス政府によると、仲裁パネルを通じた紛争解決制度など、これまでの交渉で合意に近づいた部分がある一方、人々の移動の自由、とりわけスイス国内の賃金と労働条件を保護する措置を巡っては合意に至っていないという。
外相は「おおむね交渉は進展しているが、まだ最終段階にはない」とし、「全てが合意されて初めて合意に至る」と語った。
また、スイス政府としてはEUとの交渉を再開するまでに、国内の州政府や労組などと意見のすり合わせを図りたいとした。
来年にはスイス総選挙と欧州議会選挙が控えるため、EUは年内の条約交渉の妥結をスイスに求めている。
カシス外相は会見で、スイス政府は合意を急がず、あくまでも条約の内容を重視すると語った。