令和時代の人事のキーワードは「人と企業の価値の交換」
採用選考において、三井物産は現在、宿泊を伴う合宿を取り入れている。ファーストリテイリングは「グローバルスタディプログラム」という海外インターンシップを実施。渡航費や現地滞在費も会社負担という破格の待遇で、大学1年生から応募できる。
一方、一律の初任給を廃止しただけでなく、内定者にも世界各国で最新のサービスやアプリを体験するための海外出張費を全額負担する制度を導入したのはメルカリだ。
これらは、自社をきちんと理解してもらうと同時に、学生の個性をきちんと理解し活かそうとする取り組みである。
多額のお金を掛ける必要があると言いたいわけではない。どの会社も、自社をきちんと伝えると同時に、各人の特徴を理解し、求めるものを把握し、それらを満足させられる仕事や処遇を用意することが大事だと言いたいのだ。
入社後も同じだ。自分が求めるものと違えば、すぐに転職してしまう。常に個人の状況や求めるものを把握し続ける必要がある。人が求めるものは常に変化する。1 on 1ミーティングを多くの企業が取り入れ始めているのも、コーチング的要素だけではなく、「個」の把握の必要性という流れと合致するからなのだ。
企業は個人のキャラクターや何を求めているのかを本気で把握し、きちんと向き合い、その人に合った道を用意する必要がある。個人も自分の価値を高めるために自ら技量を磨き続ける必要がある。
令和時代に求められるのは、そのような人と企業が常に価値を交換し合える関係だ。そのことに早く気付き、「個」に個別対応できる仕組みを取り入れた企業だけが成功することができるだろう。
平成最後の4月に、経団連と大学側が通年採用を拡大することで合意した。横並び一括採用と年功序列という日本型の雇用慣行の終焉だ。「個」の時代、令和を予感させる。
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