アメリカが直面する「グローバル化の逆風」

KFCをはじめ米企業に対するボイコットのうねりは、いわば「グローバル化の逆風」とも呼べるものだ。

これまでも商品のボイコットによって、外国への抗議の意思が表明されることはあったが、その多くは先進国とりわけアメリカで行われた。

それは単に世論の沸騰しやすさだけが理由ではない。大きな購買力を背景に、外国商品を買わないことがその国に対するプレッシャーになると見込まれることも、アメリカでボイコットが発生しやすい背景になっていた。

第二次世界大戦直前の日本製ストッキング(当時の日本の主力輸出品は繊維製品、特に絹製品だった)の不買運動はその古典的な事例だ。

時にはその対象が同盟国になることもあった。2003年のイラク侵攻にフランスが反対した時にはフランス産ワインやチーズなどがボイコットの対象となった。

その裏返しで、アメリカの企業・商品へのボイコットはこれまで大きな影響をもたらさなかった。2003年のイラク侵攻の際、やはりイスラーム世界ではKFCやマクドナルドへのボイコットが発生したが、今回ほどのインパクトはなかった。

つまり、アメリカ市場はボイコットによって外国にプレッシャーをかける特権をもっていたともいえる。グローバル化によってアメリカの影響力が高まったことは、これを後押ししていた。

これに照らすと、KFCやマクドナルドの売り上げを左右するレベルのボイコットが世界各地で生まれていることは、アメリカがボイコットの逆風にさらされるようになったことを示す。その背景には、グローバル化の進展によって新興国が成長し、米企業の海外市場依存の度合いが高まったことがあげられる。

とすると、グローバル化の進展は米企業のチャンスを拡大させた反面、海外の反応に対するもろさも大きくしたことになる。ガザ侵攻は図らずも世界の大きな変化を浮き彫りにしたといえるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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