プーチン終身大統領に道を開いたロシア「全国投票」は不正まみれ

2020年7月6日(月)18時20分
ブレンダン・コール

「選挙結果の数字など誰も本気で数えてなどいなかった。これ(改憲)を華々しい勝利として売り込む方法は、政府の胸先三寸だった」とペトロフは本誌に語った。「今回のようなやり方で憲法を改正するのはまったく違法だという事実が無視された。最初から違法だったのであれば、結果に不正があっても大騒ぎする必要はない」

カーネギー国際平和財団モスクワセンターのアンドレイ・コレスニコフ上級研究員は本誌に対し、今回の全国投票は「プーチンによる統治を延長し超保守的なイデオロギーの支配を認めることで普通の人々をプーチンの共犯者に」するための手段だったと述べた。

「プーチンが長い政治生命を保っているのは、選挙で競り合って勝ってきたからというより、さまざまなツールを使って国民の過半数から支持を受けているという印象を作り上げたことに基づいている」とコレスニコフは電子メールで述べた。

ロシアには州や共和国などの連邦構成体が85あるが、ロイターによれば反対が賛成を上回ったのはモスクワから北東に1600キロ離れたネネツ自治管区ただ1つ。反対票は3万7490票で全体の55%を占めたという。

(翻訳:村井裕美)

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