総選挙リベラル派圧勝に見る韓国政治の地殻変動

2020年4月20日(月)15時45分
ネーサン・パク

一方、保守派は南東部の地盤以外での影響力が弱まり、頭の固い老人の党というイメージを持たれるようになった。しかも、新型コロナウイルス対応において文政権が国際的に評価されていることで、5年前のMERS(中東呼吸器症候群)問題における朴槿恵(パク・クネ)前政権の無能ぶりもいっそう際立ってしまった。

保守派がこの苦境を抜け出すには長い時間がかかりそうだ。保守政党の「未来統合党」は、多くの大物が落選し、リーダー不在の状態に陥っている。政敵を全て「共産主義シンパ」と決め付ける類いの陳腐なレトリックではなく、もっと魅力的なメッセージを打ち出すことも難しそうだ。

今回の総選挙の結果は、向こう数十年間の韓国政治の潮流を決定づけるものになるのかもしれない。

From Foreign Policy Magazine

<2020年4月28日号掲載>

【参考記事】韓国「巨大与党」誕生の意味
【参考記事】新型コロナ危機は与党に味方した?韓国総選挙

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