新型コロナウイルスでメガクラスターの米空母、乗組員で初の死者

2020年4月14日(火)09時45分

新型コロナウイルス感染者が続出した米原子力空母セオドア・ルーズベルトで感染した乗組員1人が13日、死亡した。同空母の艦長は、海軍上層部に緊急支援を求めて送った文書が外部に漏洩したことを受けて解任されている。

現役の米軍人が新型コロナ感染症で死亡する初めてのケースとなった。海軍によると、乗組員は3月30日に新型コロナ検査で陽性反応が出ており、症状が悪化したことから今月9日に集中治療室(ICU)に移されていた。

マクファーソン海軍長官代行は声明で「戦時と平時、そして新型コロナウイルス感染症という異例の時期に国に奉仕する海兵隊員の献身をはっきりと認識している」と表明し、海軍兵士の努力と安全を支えると述べた。

同空母の乗組員4800人のうち約12%が新型コロナの陽性反応が出ている。

ある米政府当局者によると、新たに4人の乗組員が入院したが、容体は安定している。また、感染した585人のうち、428人は無症状で、他は症状が出ているという。

同空母のクロージャー艦長は前月末に海軍上層部に宛てた書簡で、空母から大半の兵士らを下船させ、空母を消毒するよう求めた。

書簡の内容がメディアにリークされたことから、艦長は解任され、解任を巡り批判を浴びたモドリー海軍長官代行も前週、辞任した。

海軍は今週、書簡を巡る一連の出来事について調査結果を発表する見通しで、当局者らは、空母の乗組員に英雄視されているクロージャー氏を復帰させる可能性を否定していない。

海軍は艦長の要請に概ね従い、乗組員約4000人を上陸させ、グアムの施設に隔離している。

[ロイター]




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