ラクダの美容整形禁止! サウジの「ミスコン」でボトックス注射が問題に

2018年1月24日(水)18時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

改革進めるサウジアラビアの戦略の一種?

コンテストの審査委員長フォーザン・マディは「ラクダはサウジアラビアのシンボル。私たちは当然のごとく伝統としてラクダを守ってきたが、今は娯楽になった」と指摘している。

今、サウジアラビアでは多くの変化が起こっている。2017年12月には長く禁止されていた映画館の運営が解禁すると発表され、2018年3月に35年ぶりの開業が実現する見通しだ。世界で唯一、女性が禁止されていた自動車の運転も認められた。これらの変化は、サウジアラビア経済の生命線であった石油への依存を軽減させ、収益源を多様化させたいと願う政府の取り組みの一環だ。

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大胆な改革の一方、政府は保守派の感情を逆なでしないよう、サウジアラビアの伝統的側面を強調することで平穏に改革を進めようとしている。そういう観点で言うと、アラビアの遊牧民にとってラクダは、何世紀にもわたって食糧、移動手段、時には戦いの武器として慣れ親しんだ、かけがえのない存在だ。

そこで政府は2017年、都市部から離れた砂漠で毎年1カ月間開催していた「ラクダフェスティバル」の開催地を首都リヤド郊外に移転。国のシンボルとしてラクダをアピールする姿勢を見せた。

「ラクダフェスティバル」では、ラクダレース、調教コンテスト、写真コンテストそしてラクダのヘアアートを競う催しもある。さらにラクダのミルクを味わうこともできる。ラクダも身を削るサウジアラビアの改革の行方が気になるところだ。

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