がん患者の42%が診断から2年で資産を使い果たす:米統計

2019年10月18日(金)13時55分
ニューズウィーク日本版編集部

<世界で約6人に1人が癌で亡くなっている。アメリカを中心に、癌治療にまつわるお金のあれこれを調べてみると――。プレシジョン・メディシンを取り上げた本誌「AI vs. 癌」特集より>

世界全体の主な死亡原因のうち、心臓発作などの心血管疾患に続いて2 番目に多いのが癌だ。約6人に1人が癌で亡くなっている。

癌は、細胞の遺伝子が突然変異により無秩序に増殖することで腫瘍が形成される病気。最近ではDNAの解析・制御技術や人工知能(AI)を活用して、患者単位でどの癌にどの薬が効くかを分析するプレシジョン・メディシン(精密医療)の導入も進んでいる。

42%

アメリカの癌患者のうち、診断から2年で資産を使い果たした人の割合。平均9万2000ドルを失っている

70%

低所得または中所得国における死因に占める癌の割合

25億ドル

アメリカで進行癌の患者の遺伝子検査にメディケア(高齢者医療保険制度)から支出された推定額。2018年から保険適用対象になった

CONEYL JAY/GETTY IMAGES

1万590人

2018年にアメリカで癌と診断された14歳以下の子供の数

3分の1

アメリカの住民のうち、一生のうちで癌にかかるリスクのある人の割合。1500万人以上が癌の病歴がある

26%

アメリカの小児癌患者のうち、脳か神経関連の癌に罹患している割合

29%

アメリカの小児癌患者(15歳未満)のうちで最も多い白血病の患者の割合

96,000,000,000,000,000,000,000

ヒトの全細胞に埋め込まれているDNAのヌクレオチド(リン酸、糖、塩基で構成される最小単位)の数。この全てが突然変異する可能性がある

CONEYL JAY/GETTY IMAGES

802億ドル

2015年のアメリカでの癌医療費の総額(外来患者と入院患者双方への治療やサービスを含む)

約65万人

アメリカで毎年、外来で化学療法を受ける癌患者の数

66歳

アメリカで癌と診断された患者の年齢の中央値

15%

遺伝子検査を受け、癌の増殖を引き起こす細胞内の分子を特定してそれを狙い撃ちする分子標的治療を受けた癌患者の割合

8人に1人

アメリカの女性で、一生のうちに乳癌にかかるリスクのある人の割合

<本誌2019年10月22日号「AI vs. 癌」特集より>

【参考記事】がん治療により効果的で安全な薬を開発する、特許取得済みAIシステム


※10月22日号(10月16日発売)は、「AI vs. 癌」特集。ゲノム解析+人工知能が「人類の天敵」である癌を克服する日は近い。プレシジョン・メディシン(精密医療)の導入は今、どこまで進んでいるか。


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