世界の銀行、クラウドサーバーのリスク回避対策を進める

2021年8月13日(金)10時49分

米世論調査機関ハリス・ポールと米アルファベット傘下のグーグルが12日に公表した調査によると、銀行は外部のクラウドコンピューティングサービスの使用増加に伴うリスクを緩和する対策に乗り出している。

イングランド銀行(英中央銀行)とフランス銀行(中銀)は、規制当局の管轄外であるグーグルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの「限られた」数の外部クラウドコンピューティング企業に銀行がどのように頼っているかについて透明性が欠けているとの懸念を示している。規制当局は、多くの銀行が同じプロバイダーに頼っている状況について、一つのプロバイダーで問題が生じた場合、システミックリスク(金融システム全体に波及するリスク)の恐れがあると指摘する。

調査は米国とカナダ、フランス、ドイツ、英国、香港、日本、シンガポール、オーストラリアの金融サービス企業の幹部1300人を対象とした。83%が、コンピューター関連の主要なインフラの一部にクラウドを採用していると回答した。

また、大部分の企業が複数のクラウドを採用する戦略を検討している。複数のクラウドを採用すると、一つのクラウドサービスが機能停止となった場合、顧客へのサービスが中断されないように代わりのプロバイダーへ移行することができる。

グーグルの英国とアイルランドのクラウド部門で金融サービスを担当するエイドリアン・プール氏は「ハリスの調査によると、供給業者の集中やロックインへの懸念を解消するために金融機関が行動を取っているのは明らかだ。複数クラウドの戦略を現在採用していない回答者の88%が、向こう12カ月間で採用することを検討している」と話した。

[ロイター]




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