北岡 まさにおっしゃるとおりだと思います。また、日本は発言力は乏しいけれど、現場力はあります。復興支援はその最たる例です。
今後、ウクライナやガザでの戦争終結後にどれだけ日本が復興支援で貢献できるのかも重要です。そういった点を国際社会にうまくアピールできるといいのですが......。
このように課題がたくさんある中で、とても豊かな議論ができたように思います。これを読んでくださる方が、そこからこの議論が面白いというように発見していただければ、この座談会も成功ではないかと思います。皆様、本日は本当にありがとうございました。
構成:石本凌也(北海道教育大学教育学部函館校講師)
池内 恵(Satoshi Ikeuchi)
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。国際日本文化研究センター准教授などを経て、東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は中東研究。著書に『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、サントリー学芸賞)など多数。
廣瀬陽子(Yoko Hirose)
1972年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。政策・メディア博士(慶應義塾大学)。慶應義塾大学総合政策学部教授。専門は国際政治、旧ソ連地域研究、紛争・平和研究。著書に『ハイブリッド戦争──ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代新書)など多数。
森 聡(Satoru Mori)
1972年生まれ。京都大学法学部卒。外務省を経て、東京大学大学院法学政治学研究科で博士号取得。法政大学法学部教授などを経て、慶應義塾大学法学部教授。専門は現代アメリカの外交・防衛。著書に『ヴェトナム戦争と同盟外交』(東京大学出版会)など。
北岡伸一(Shinichi Kitaoka)
1948年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。専門は日本政治外交史。東京大学教授、国連大使、国際協力機構〔JICA〕理事長を経て現在、国際協力機構顧問。著書に『清沢洌──日米関係への洞察』(中公新書、サントリー学芸賞)など多数。
『アステイオン102』
公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会[編]
CEメディアハウス[刊]
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