最新号の目次を見る
「中国」「中華」の意義・影像によって、中国に対する言動・関係が変わり、その過程を通じ、各国各地の運命も決まってきた。何度も干戈を交えた日本も、もちろん例外ではない。ほかの国々はなおさらそうだろう。いまや「米中対立」と言って憚らないアメリカすら然り。中国史の多くをそうした史実経過が占める。「中華」の拡散・深化と「中国の夢」を、外の眼からあらためてさぐってみることで、東アジアの現在を考えたい。
vol.098
絶賛発売中
今年2月24日にロシアがウクライナに対して「特別軍事作戦」と称して始めた戦争は世界に衝撃を与えた。日々の戦況から離れて俯瞰することで見えてくるものがあるのではないか。そういう問題意識から今特集では内外の専門家にさまざまな角度からの分析を求めた。もちろん戦争は進行中であり、本特集も夏頃までの状況を前提とした暫定的な考察であるから限界はある。それでも今特集が読者にとって、この不幸な戦争とこれからの世界について考える機会となることを祈りたい。
経済学は人々の経済活動を研究する学問である。そのため、その研究結果と生活実感は、かなり合致するはずである。しかし、経済学者の多くが同意している定説や命題が世間では正反対の見解が支持を得たり、信じられていることがある。その一方で経済学者の間で意見が対立している学説ほど、世間では広く知られているという悩ましい現象もある。本特集を通じて、経済学が直面するこうしたギャップを少しでも解消し、経済学的視点の面白さが読者に少しでも伝われば幸甚である。
かつて自在に相互乗り入れができたアカデミズムとジャーナリズムは、それぞれの発展とともに分化し、分断を深めてきた。両者を仲立ちしつつ刷新する「アカデミック・ジャーナリズム」を、激変する情報社会環境の中でいかに維持・発展させてゆくか。
2012年5月発行の『アステイオン』76号では、「今、何が問題か」を特集テーマに、新たに発足した編集委員会のメンバー全員が論考を寄せた。 ほぼ10年たった今。編集委員会を再編成したのを機会に、再び「今、何が問題か」を新旧の編集委員の全員が語ることで、改めて「今」を問いたい。