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トランスジェンダーの移動の自由を奪う? パスポートの性別変更を凍結したトランプ政権

A HORRIFYING ORDER

2025年2月4日(火)15時30分
デービッド・マック(ライター)

テキサス州在住の40代のトランス女性であるキャスリンは国務省の方針変更を受けて、パスポートの性別欄の更新申請を保留にしている。

彼女は自分のパスポートが没収され、何らかのリストに名前が載り、いつか標的になる可能性を恐れている。人権擁護団体「米自由人権協会(ACLU)」に対して、この問題に立ち向かい、自分たちのコミュニティーを支持してくれるのかという問い合わせもした。


実際、各種市民権団体やLGBTQ+の擁護者が今回の件について、連邦裁判所で争うことを表明している。ACLUのコミュニケーション戦略担当であるジリアン・ブランステッターは、政権の方針は外国旅行をするトランスジェンダーの人々を危険にさらす可能性があると筆者に語った。「本来の自分と矛盾する文書の携帯を強制され、それを提示することで自分がトランスだと暴かれて危険にさらされるリスクがある」

ラムダ財団のチャールズは「新たな方針が本当に実行可能かどうかは法律の問題で、その点については私たちが勝てると考えている。だがトランプ政権の新方針は恐怖と混乱を引き起こした」と指摘。心と体の性が一致する「シスジェンダー」ではない一部の人にとって、パスポートは単なる旅券ではなく、自分が何者であるかを象徴的に確認あるいは決定づける重要なものだという。

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