最新記事
恩赦

米議会襲撃事件で有罪判決の約1500人に「全面的な無条件恩赦」を与えたトランプの真意とは?

SORRY NOT SORRY

2025年1月28日(火)19時47分
ジム・ニューウェル(スレート誌政治記者)
米議会襲撃事件で有罪判決の約1500人に「全面的な無条件恩赦」を与えたトランプの真意とは?

4年前、トランプの呼びかけで全米から集まった支持者が連邦議会議事堂を襲った ZUMA PRESS/AFLO

<議会襲撃に関与した1500人が再び野に放たれた理由。なぜ制限なき恩赦が新政権に必要だったのか?>

ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、ホワイトハウス復帰の初日となる1月20日、「2021年1月6日に米連邦議会議事堂またはその付近で発生した事象に関連して有罪判決を受けた」約1500人につき、「全面的で完全かつ無条件の恩赦」を与えた。

暴力的な犯罪者の釈放がなぜ正当化されるのかについて、トランプは「全国的な和解のプロセス」に着手し、「アメリカの人民に対する国家的不正」に終止符を打つと言うばかりで、具体的な説明をしなかった。


当然だろう。そのような恩赦を正当化する理由はないのだから。

20年大統領選でジョー・バイデン前大統領に敗れたトランプは、選挙結果を承認する手続きが行われている連邦議会議事堂に熱狂的支持者を送り込み、選挙結果を覆そうとした。その試みは失敗に終わったが、この混乱で警察官などが命を落とした。

身内の共和党には恩赦に反対意見を表明する議員もいたが、党指導部はわれ関せずの姿勢を貫いた。

「われわれは過去ではなく、未来に目を向けている」と、マイク・ジョンソン下院議長とジョン・スーン上院院内総務は記者団に語った。そしてバイデンが退任直前に出した恩赦に言及し、「なぜそれについては質問をしないのか」と話をそらした。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ安全保障に欧州主導の平和維持部隊 10カ

ビジネス

米ボストン連銀総裁、FRB利下げ支持も「ぎりぎりの

ビジネス

米NY連銀総裁「FRBは今後の対応態勢整う」、来年

ビジネス

カナダCPI、11月は2.2%上昇で横ばい コアイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 6
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 10
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中