最新記事
ウクライナ情勢

ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像

Watch: Ukraine wildfires engulf Russian trenches

2024年7月12日(金)18時26分
マルニ・ローズ・マクフォール
ヘルソンで森林火災から非難するロシア兵

Toa55/Shutterstock

<ウクライナとの戦闘が続くヘルソン州のロシア軍占領地域で、兵士たちが車に乗って避難する様子が映っている>

ウクライナ南部で発生した森林火災が、ロシア軍の陣地を呑み込む様子を捉えた動画がソーシャルメディア上に投稿され、注目を集めている。火災の原因は明らかにされていないが、映像には炎に追い立てられたロシア軍の兵士たちが、陣地を捨てて命からがら退避する様子が捉えられている。

■【動画】猛烈な炎に追われ、必死で逃げるロシア兵...ウクライナの戦場で「大規模な山火事」発生、緊迫映像

X(旧ツイッター)上に投稿された動画からは、ウクライナ南部のヘルソン州で火災が発生し、火の手が森林地帯にも回って広い範囲に被害がもたらされている様子が見て取れる。終わりの見えない戦争を戦うロシアとウクライナの両陣営だが、この災害によって戦場における状況はさらに複雑化しているようだ。

ウクライナ南部ヘルソン州の重要性と戦況

ヘルソンは、黒海とドニプロ(ドニエプル)川に面している。農業が盛んで水路へのアクセスがいいことから地理的に重要な地域だ。ロシア軍は2022年3月からヘルソン市を占領しており、ウクライナ軍は占領された領土を奪還するための反転攻勢を展開している。

この地域は温暖な大陸性気候で、暑い夏が農業に適していることで知られている。また黒海へのアクセスから、軍事作戦を展開する上で戦略的に重要な拠点となっている。

Xに投稿された動画には、兵士の一団が車に乗り、炎に包まれつつある地域から避難する様子が映っている。その向こう側には、木々が生い茂る森林地帯から炎と分厚い煙が立ち上っているのが見える。

車の荷台の端に立っている兵士が手招きをすると、2人の兵士が炎から逃げて車に向かって走ってくる。荷台の端にいる兵士が一人を引っ張り上げ、さらにその後に続いて避難してきたもう一人の兵士も同様に引っ張り上げている。

車の周囲では炎が燃え盛り、木々を呑み込んでいく。動画の終わりには煙がさらに分厚くなり炎が見えなくなるが、オレンジ色のもやが立ち込めている。

動画には、「ヘルソン地域。ロシア兵の動画。『われわれの兵士がいる島が燃えている』そうだ」という説明が添えられている。

Xに投稿された別の動画には、木々が炎に包まれるなか、ロシア兵が森林地帯から避難する様子が映っている。この投稿には「ヘルソン州ドニプロ川左岸にいるロシア軍の状況。彼らは文字どおり陣地からいぶり出されている」という説明が添えられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

次期FRB議長の条件は即座の利下げ支持=トランプ大

ビジネス

食品価格上昇や円安、インフレ期待への影響を注視=日

ビジネス

グーグル、EUが独禁法調査へ AI学習のコンテンツ

ワールド

トランプ氏支持率41%に上昇、共和党員が生活費対応
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中