最新記事
兵器

<動画>ロシアの防空システム「TOR(トール)」が自分に向けてミサイル発射!?

Video Shows Russian TOR Missile System Fire Warhead at Itself

2023年6月13日(火)16時59分
エリー・クック

ロシアが誇る短距離防空システムTOR(トール)(2015年5月の先勝記念パレードで、モスクワ) Sergei Karpukhin-REUTERS

<発射されたミサイルは、ヒュルヒュルと弧を描いて自分に戻ってきて着弾した>

ロシア軍の短距離防空ミサイルシステム「TOR(トール)」がウクライナ軍を攻撃しようとして自爆してしまったように見える動画が拡散している。

【動画】空中でUターンして自爆するロシアの地対空ミサイル「TOR(トール)」

トールはミサイルを発射したものの、ミサイルはすぐにUターンして発射地点近くの地上に着弾したようだ。テレグラムやツイッターなどのソーシャルメディアで盛んにシェアされている。

ニューズウィークは、独自にこの映像の信憑性を確認することはできなかったが、

この動画は、紛争地帯のトピックを専門に伝える「@NOELreports」をはじめ、多くのアカウントでツイートされた。「稼働中のロシア軍のトールだ。何が起こったのかは、想像にお任せする」というコメント付きだ。動画の撮影時期は明らかになっていない。

複数の派生型があるトールは、ロシア軍の移動式防空ミサイルシステムで、今回の紛争を通じてウクライナ軍の標的の1つとなっている。トールは、低高度から中高度の空域を飛行する敵軍の航空機や無人機、誘導ミサイルおよび精密誘導兵器を撃ち落とすよう設計されている。

オランダに拠点を置くオープンソース防衛情報分析サイトのオリックス(Oryx)によると、ロシアは2022年2月にウクライナ侵攻を開始して以降、36両のトールを失ったという。この数字は目視で喪失を確認できたもののみで、実際にはもっと多い可能性がある。

トールは、北大西洋条約機構(NATO)が付けたコードネーム「SA-15ガントレット」でも知られており、米戦略国際問題研究所(CSIS)によると、最長で約10マイル(約16km)離れた標的を攻撃できる。

CSISによると、トールは1986年に配備を開始した。最初の改良型である「TOR-M」は1991年に配備された。その後開発された別タイプの「TOR-M2」は、多数の無人機など、自軍の拠点を襲おうとする脅威を迎撃するよう設計されている。

ウクライナ軍はこれまでも、トール破壊の動画を公開している。

(翻訳:ガリレオ)

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:中東ファンドがワーナー買収に異例の相乗り

ワールド

タイ・カンボジア紛争、トランプ氏が停戦復活へ電話す

ワールド

中国の輸出競争力、ユーロ高/元安で強化 EU商工会

ワールド

新STARTの失効間近、ロシア「米の回答待ち」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中