最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ国防省にサイバー攻撃、ロシア軍一部撤収でも警戒続く 外交努力継続

2022年2月16日(水)09時19分
ロシアとウクライナの国旗とコンピューターを使用する人たちのイメージ

ロシアとウクライナを巡る情勢が緊迫化する中、ロシア国防省はウクライナ国境付近で軍事演習を終えた軍の一部部隊が帰還しつつあると発表。ウクライナは同国の国防省と銀行2行がサイバー攻撃を受けたと発表した。写真はロシアとウクライナの国旗とコンピューターを使用する人たちのグラフィック(2022 年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

ロシアウクライナを巡る情勢が緊迫化する中、15日はロシア国防省がウクライナとの国境付近での軍事演習を終えた軍の一部部隊が基地に帰還しつつあると明らかにした。一方、ウクライナは同国の国防省と銀行2行がサイバー攻撃を受けたと発表。侵攻はサイバー攻撃から開始されるとの見方もある中、警戒が高まっている。

ウクライナの戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは、ウクライナ国防省が15日にサイバー攻撃を受け、同省ウェブサイトへのアクセスが停止されたと発表。サイバー攻撃を実施した主体は発表されていないが、声明ではロシアの関与を示唆した。

欧州の外交筋は匿名を条件に、ロシアによるウクライナ侵攻はサイバー攻撃から開始される可能性があるため、今回の攻撃は懸念に値すると指摘。「(サイバーでない)物理的な攻撃が近く実施されるか、ロシアがウクライナに干渉し続ける可能性があることを意味している」と述べた。

米ホワイトハウスは、ウクライナに対するサイバー攻撃に関する報告は承知しているとした上で、ウクライナ政府に対し調査と対応の面で支援を提供していると明らかにした。

ロシア連邦保安局(FSB)からコメントは得られていない。

外交努力継続

ロシアがウクライナとの国境付近での軍事演習を終えた軍の一部部隊が基地に帰還しつつあると表明する中、ロシアと西側諸国は外交努力を継続。

ロシアのプーチン大統領はこの日、モスクワでドイツのショルツ首相と会談し、ロシアはミサイルなど安全保障を巡る問題に関する西側諸国との協議を継続する用意があると発言。ショルツ首相はウクライナ近郊からのロシア軍の一部撤退を歓迎するとし、「外交的な可能性はまだ尽きていない。解決策を見出すことは可能なはずだ」と述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:好調スタートの米年末商戦、水面下で消費揺

ワールド

トルコ、ロ・ウにエネインフラの安全確保要請 黒海で

ワールド

マクロン氏、中国主席と会談 地政学・貿易・環境で協

ワールド

トルコ、ロシア産ガス契約を1年延長 対米投資も検討
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中