最新記事

中南米

バイデンに期待し、アメリカを目指すキャラバンの攻防戦

2021年1月25日(月)15時25分
ブレンダン・コール

治安部隊と衝突するキャラバン(バドオンド) LUIS ECHEVERRIA-REUTERS

<既に最大8000人がホンジュラスからグアテマラに入国。きっかけはメキシコ大統領の発言だった>

米バイデン新政権の誕生を前にホンジュラスなどからアメリカを目指して出発した移民キャラバンが1月18日、グアテマラの町バドオンドで包囲された。

治安部隊は移民数百人を催涙ガスで攻撃し、国境検問所に送り返した。

移民の1人アンドレス・ゴメスは、「私たちは戦争をしているわけではない。女性まで殴りつけるこの仕打ちは、暴力行為にほかならない」と当局の対応を非難する。

移民たちは、新型コロナウイルスで悪化した貧困と暴力、ハリケーン被害から逃れるためホンジュラスを出発。1月半ば以降、最大8000人がグアテマラに入国したという。

きっかけは、「バイデン米大統領の移民政策の改革実現を期待している」とのメキシコのロペス・オブラドール大統領の発言だ。

バイデンは、トランプ前大統領の強硬な移民政策からの転換を約束。就任初日には米居住中の不法移民に市民権獲得の道を開く法案を議会に送付した。

「壁」撤去は吉と出るか凶と出るか。

<2021年2月2日号掲載>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、エヌビディア半導体「H200」の中国販売認可を

ワールド

米国の和平案でウクライナに圧力、欧州は独自の対案検

ワールド

プーチン氏、米国のウクライナ和平案を受領 「平和実

ビジネス

ECBは「良好な位置」、物価動向に警戒は必要=理事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中