最新記事

感染症対策

米でコロナワクチン接種進まず まさかの医療従事者が接種拒否も

2021年1月8日(金)11時40分

米国で新型コロナウイルス感染が拡大し、医療体制が圧迫される中、連邦政府や州、地方自治体の当局者は、遅れているワクチン接種を加速させようと対策を打ち出している。写真は2020年12月、カリフォルニア州ハンチントンの病院で撮影(2021年 ロイター/Bing Guan)

米国で新型コロナウイルス感染が拡大し、医療体制が圧迫される中、連邦政府や州、地方自治体の当局者は、遅れているワクチン接種を加速させようと対策を打ち出している。

米疾病対策センター(CDC)によると、全米にすでに2100万回分のワクチンが供給されているにもかかわらず、7日までに1回目の接種を受けたのは約600万人にとどまる。

連邦政府は昨年末までに2000万回分のワクチン接種完了を目標に掲げていたが、これには遠く及ばない状況だ。

保健当局によると、医療従事者の約25%がワクチン接種を拒んでいる。

ロイターの集計によると、米国で新型コロナ感染症による1日当たりの死者が6日、4000人を超え、これまでで最多となった。入院者数も13万2000人強と4日連続で最多を更新。新規感染者数は25万人超で、累計の感染者は2120万人となった。

政府は6日、ワクチン接種の加速に向け、全国の薬局への配布を予定を前倒しして週内に開始すると発表。当局者によると、19の薬局チェーンとの提携の下で全国最大4万カ所にワクチンが配布される。病院よりも薬局の方が効率的に接種を進められるという。

また、アザー厚生長官は6日、医療従事者など特定の層への接種を優先する指針に執着することでワクチンの展開を遅らせるべきではないとし、ワクチンを受ける医療従事者がいなければ、高齢者に接種するなど臨機応変に対応すべきとの認識を示した。

こうした中、新型コロナ感染による死者が全米で最も多いニューヨーク州では、クオモ州知事とデブラシオ・ニューヨーク市長がワクチン接種計画を巡り対立する事態が起きている。

デブラシオ市長は7日、75歳以上の高齢者と最前線で働くエッセンシャルワーカーを含む、ワクチン接種の優先度が2番目に高いグループへの接種を開始する同氏の計画を拒否したクオモ知事を厳しく批判。市長は、ニューヨーク市の公立病院には医療従事者の接種拒否などで余ったワクチンが数千回分あるとする一方、クオモ知事はすべての医療従事者は先にワクチン接種を済ませるべきと主張している。

一方、隣接するニュージャージー州のマーフィー知事は、CDCの指針に沿い、ワクチン接種の対象を警察官や消防士らに広げる方針を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中