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2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、全州の当確出揃う バイデンが選挙人306人獲得、トランプの逆転は困難

2020年11月14日(土)11時55分

米大統領選は、勝敗が判明していなかったジョージア州とノースカロライナ州で13日も開票作業が続き、民主党のバイデン前副大統領がジョージアで、共和党のトランプ大統領がノースカロライナでそれぞれ勝利を確実にした。REUTER

米大統領選は、勝敗が判明していなかったジョージア州とノースカロライナ州で13日も開票作業が続き、民主党のバイデン前副大統領がジョージアで、共和党のトランプ大統領がノースカロライナでそれぞれ勝利を確実にした。これで全州の当確が出そろい、トランプ氏が選挙結果を覆せる可能性はほぼなくなった。

エジソン・リサーチによると、バイデン氏が全米538人の選挙人のうち306人、トランプ氏が232人を獲得。2016年の前回選挙ではトランプ氏が306人を獲得し、民主党のヒラリー・クリントン氏に勝利。その際、トランプ氏は「地滑り的勝利」と評していた。

獲得票数はバイデン氏がトランプ氏を約530万票(3.4%ポイント)上回った。

トランプ氏が続投するには少なくとも3州でバイデン氏のリードを覆す必要があるが、これまでのところ覆せる証拠は示されていない。

開票を巡りトランプ陣営は不正選挙の疑いを理由に、ミシガン州で選挙結果の不承認などを求める訴訟を起こしていたが、州裁判所はこの日、これを却下。トランプ氏が同州での結果を覆せる公算は小さくなった。

トランプ氏はまだ敗北を認めていないが、バイデン氏は政権移行に向けた準備を開始。政権移行チームのシニア・アドバイザー、ジェン・プサキ氏は、新型コロナウイルス感染拡大への対応のほか、国家安全保障に関する「リアルタイムの情報」をトランプ政権から得る必要があると強調。トランプ政権に対し、バイデン氏と副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員に機密情報に接する権限を与えるよう呼び掛けた。

選挙人は12月14日に正式に大統領を選出する。

トランプ氏はこの日、バイデン氏の当選が確実になってから初めて公に発言。ホワイトハウスのローズガーデンで、絶対にロックダウンは行わないと述べた。ただ、来年1月に発足する別の政権がロックダウンを行うかは「その時になれば分かるだろう」と述べ、直接的に敗北は認めなかったももの、バイデン政権が後を継ぐ可能性がある認識を示した。

トランプ氏はこのほか、米製薬大手ファイザーが開発する新型ウイルス感染症ワクチンの緊急使用許可を「極めて近いうちに」承認すると述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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グラフィック アメリカ大統領選挙開票状況


 

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