最新記事

感染症対策

NY市、コロナ隔離徹底へ検問所設置 感染急増35州からの旅行者に

2020年8月6日(木)10時25分

米ニューヨーク市のデブラジオ市長は5日、新型コロナウイルス感染者が急増している35州から同市を訪れる旅行者の隔離義務順守を確実にするため、駅やトンネルなどに検問所を設けると発表した。ニューヨークのラガーディア空港で6月撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

米ニューヨーク市のデブラジオ市長は5日、新型コロナウイルス感染者が急増している35州から同市を訪れる旅行者の隔離義務順守を確実にするため、駅やトンネルなどに検問所を設けると発表した。

市警などは同日から、ニューヨーク市につながる橋やトンネルに検問所を設置する。6日には主要鉄道駅のペンシルバニア駅にチームを派遣し、訪問者に旅行に関する書類の提出を求める。

デブラジオ市長は、2週間の隔離が任意ではなく義務と改めて強調し、違反者に対する罰金が最大1万ドルに達する可能性があると警告した。

ニューヨーク市の保健当局者は、同市の新規感染者の5分の1が州外からの訪問者と指摘する。

米国の新型コロナ感染者は累計で約480万人、死者は約15万7000人。先週時点で、感染者はオクラホマ、モンタナ、ミズーリなど約20州で急増。国内の1日の死者も平均で約1000人に達している。一方、一時はコロナ流行の震源地だったニューヨーク市の感染率は過去8週間3%以下にとどまっている。

コロナ感染再拡大に伴い、学校再開の行方も注目される。

過去6週間連続で新型コロナの新規感染者が増加しているイリノイ州ではこの日、シカゴの公立学校が新学期を全て自宅学習の形式で再開する方針を決定した。同学校区は35万人の生徒を抱え、全米で3番目の規模。

カリフォルニア州のロサンゼルスとサンディエゴでも、自宅からのリモート学習を行う計画。

トランプ大統領は対面授業の再開を要求しており、この日もFOXニュースとのインタビューで「学校は再開すべきだ。コロナはいずれ消滅する」と改めて語った。

フロリダ、アイオワ、ミズーリ、サウスカロライナ、テキサスの5州では対面授業を再開する見通し。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で「TPOをわきまえろ」と論争に


2020081118issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
楽天ブックスに飛びます

2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、湾岸歴訪後「おそらく16日に帰国」 現

ワールド

トランプ氏、米管理下でガザ「自由地帯」に 独自構想

ビジネス

再送-米4月PPI、前年比の伸び2.4%に減速 前

ビジネス

米4月小売売上高、伸び0.1%に減速 関税前の駆け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 2
    宇宙から「潮の香り」がしていた...「奇妙な惑星」に生物がいる可能性【最新研究】
  • 3
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習い事、遅かった「からこそ」の優位とは?
  • 4
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食…
  • 5
    戦車「爆破」の瞬間も...ロシア軍格納庫を襲うドロー…
  • 6
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 7
    対中関税引き下げに騙されるな...能無しトランプの場…
  • 8
    トランプに投票したことを後悔する有権者が約半数、…
  • 9
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 10
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 10
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中