最新記事

新型コロナウイルス

アメリカで相次ぐ病院閉鎖、コロナ患者は儲からない

Michigan Rep Blasts Hospitals for Closing During Pandemic: 'Not Profitable'

2020年4月27日(月)18時00分
ベンジャミン・フィアナウ

パンデミックはコストがかかる(ワシントン州シアトルの病院) David Ryder-REUTERS

<パンデミックが地方に及ぶのを前に、地域で唯一の病院が突然閉鎖するケースが続出。コロナ患者が入院すると利益が上がらないからだ、と地元議員は批判する>

新型コロナウイルス感染症がアメリカの都市部から地方に迫るにつれて、突然、患者を転院させ従業員を解雇して閉じてしまう地方病院が増えている。新型コロナの患者が押し寄せてくれば、ただでさえ人口減少と高齢化で採算が悪化している病院経営が持たなくなる、というのがその理由だ。

テネシー州では4月中旬、人口1万2000人の町のただ一つの病院が閉鎖。2020年に入って同州だけで9件目だ。全米では、すでに200の地方病院が閉鎖したともいわれ、地元住民はもし町に新型コロナがきたら、と不安に怯えている。

ミシガン州選出のラシダ・トライブ下院議員(民主党)は先日、同じくミシガン州選出のデビー・デインゲル下院議員とともに、デトロイト地域の8つの病院を経営するボーモント・ヘルスに対し、ミシガン州ウエインの病院を突然、閉鎖した理由を問い合わせた。

ウエインの病院は、新型コロナウイルス感染症専門の病院に指定されていた。それが4月初め、それまでに入院した新型コロナの患者19人を退院させるか転院させて、「一時的に閉鎖する」とだけ発表して閉鎖した。

「(新型コロナの)病人の治療は利益が出ないから、病院を閉鎖するのだ」とトライブは言った。「COVID-19専門病院になったら、金は稼げない。病院を閉鎖するのは、実際に病人の治療をしなければならないから。高額の手術やその他の利潤追求の医療から利益を得ることができいからだ」

<参考記事>日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか?
<参考記事>コロナ禍、スーパーで安全に買い物をするには

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

HSBC、オフィスと従業員の監視強化へ 内部文書に

ビジネス

トヨタ、南アフリカに来年EV3車種投入へ

ワールド

サウジ政府系ファンドPIF、メタやペイパルなどの株

ワールド

トルコ中銀、インフレ抑制へ目標設定 来年末16%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化してしまった女性「衝撃の写真」にSNS爆笑「伝説級の事故」
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 5
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 7
    「デカすぎる」「手のひらの半分以上...」新居で妊婦…
  • 8
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ホラー映画かと...」父親のアレを顔に塗って寝てし…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 3
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何か?...「うつ病」との関係から予防策まで
  • 4
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中