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習近平緊急会議の背後に「武漢赤十字会の金銭癒着」

2020年2月4日(火)11時55分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

鐘南山はこの協和医院に視察に行ったのだから、武漢で流行している肺炎は「人‐人」感染をする重要な証拠をつかんで、「これはまずい!」というので北京にとんぼ返りし、習近平に重大事態だと報告したわけだ。

これにより習近平が「重要指示」を全国に出したので、武漢市政府と湖北省政府は、「協和医院」を恨んだということになる。これは勝手な推測ではなく、武漢市の周先旺市長自身が、協和医院の14名の医療関係者が感染したことに言及しているし、また大陸の少なからぬサイトがこのことを取り上げている。

たとえば1月21日に中央テレビ局CCTVの取材を受けた時に武漢市長はこのことに触れているし、また「財新」というサイトも、このことに触れている。

特に武漢市の市長がCCTVの取材の際に「協和病院の脳外科がこの患者に対して入院前に新型コロナウイルスに感染しているか否かを確認しなかったのがいけないのだ」と言っている。つまり、協和病院の脳神経外科の不注意がこの一連の感染の原因だと批判しているわけだ。武漢政府はそれまで「人‐人」感染はないとしており、「十分にコントロールはできている」として偽装工作していたため、それがばれたので、協和医院のせいにしようとしているのである。

しかしCCTVの記者はひるまず、「それならあなたはなぜ1月19日に万家宴などという大宴会をやったのですか?」としつこく追い込んでいる。それに対して武漢市市長は、「いや、あれは、昔からある庶民の習慣なので...」などと弁解しているのである。

仁愛医院と湖北省政府幹部との金銭的癒着

さらに一党支配体制を揺るがすようなことが起きていた。

いつものことながら、ここまでの事態に立ってもなお、金銭癒着が背後でうごめいていたのである。

2月1日、独立真相調査報告「黒夜研究室」なるものが武漢赤十字会に関してさらなる真相を暴いた。その結果が多維新聞に出ている。

それによれば「仁愛医院の大株主は湖北省政治協商会議の委員だ」ということである。

また仁愛医院は湖北省赤十字会や武漢赤十字会と2012年から2019年の間に何度も協力イベントを開催したことがある。

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