最新記事

米朝関係

トランプ、北朝鮮への軍事的選択肢を用意 実行なら「壊滅的結末」

2017年9月27日(水)09時37分

9月26日、トランプ米大統領(写真)は、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮への軍事力行使は第2の選択肢としながらも、実行すれば北朝鮮にとって「壊滅的」な結果になると警告した。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

トランプ米大統領は26日、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮への軍事力行使は第2の選択肢としながらも、実行すれば北朝鮮にとって「壊滅的」な結果になると警告した。

トランプ氏は「好ましい選択肢ではないが、2つ目の選択肢の用意は完全に整っている」とし、「それは軍事的選択肢であり、必要であれば米国はその選択肢を選ぶ」と言明した。同時に「そうなれば、北朝鮮は壊滅的な結末に直面することになる」と警告した。

一方、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長はこの日行われた上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮側に緊張の高まりを反映するような軍事態勢の変化は見られていないと明らかにした。

「政治的な緊張は明らかに高まっているが、北朝鮮軍の態勢に変化は見られていない。われわれは非常に注意深く見守っている」と述べた。ただ、緊急性という観点では「北朝鮮が今日最大の脅威となっていることは確かだ」とも語った。

ダンフォード氏は、北朝鮮が核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の運用能力を「近く」獲得するとの認識を示した。その日は「間近に迫っている」とした。

米軍の態勢については「われわれは挑発あるいは衝突が起きた際に対応する準備が整っている」とし、韓国や日本を含む「同盟国を守るためにあらゆる適切な措置」を講じてきたと強調した。

北朝鮮が可能性に言及した太平洋での水爆実験については、強行すれば「とてつもない挑発」になると警告した。

韓国の李チョル雨(イ・チョルウ)議員は、同国の情報機関から受けた説明に言及し、北朝鮮は米戦略爆撃機が週末に朝鮮半島近くを飛行したことを受けて航空機を東海岸に移動させるなどして防衛を強化していると述べた。また、米軍側は北朝鮮が飛行の事実を承知していなかった模様だったため、飛行ルートを意図的に公開したとの見方を示した。

米国務省は同日、ティラーソン国務長官が28日から中国を訪問すると発表した。中国政府高官と北朝鮮情勢などについて協議する予定。

[ワシントン 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中