最新記事

日米関係

トランプは日本を侮辱していた「好きなのはお辞儀だけだ」

2017年9月26日(火)14時54分
ロバート・バレンシア

国連主催の昼食会で隣り合わせに座るトランプと安倍 Kevin Lamarque-REUTERS

<まだビジネスマンだった頃、トランプは日本を悪しざまに言っていた>

アメリカのドナルド・トランプ大統領はずいぶん前から、アジアでもっとも重要な同盟国である日本を悪しざまに言っていたようだ。

本誌は、1997年に行われたラジオパーソナリティ、ハワード・スターンとのインタビューの未公開音声をこのたび入手。その中でトランプは、日本のほぼすべてを見下すような発言を平然と口にしていた。

日本政府とトランプ政権は現在、北朝鮮による核の脅威を阻止するために互いを頼りにし合っているのだが、トランプの本音はどこにあるのか。

トランプの発言は、人気ラジオ番組「ハワード・スターン・ショー」で、1993年から2015年の間にインタビューに応じた際の15時間分の未公開音声に含まれていた。音声は本誌が入手し、トランプの発言を検索できるウェブサイト「Factba.se」で公開した。

1997年に行われたインタビューの中で、番組ホストのスターンは日本をどう思うか尋ねた。「互いにお辞儀をしあう日本の文化はすばらしいとおっしゃってますね」とスターンが問いかけると、トランプはこう答えた。「率直に言って、日本について好きなのはお辞儀だけだ」

共通の敵があればこそ

同じインタビューの中で「日本人ととてもいい関係を持っている」と述べながら、こうも言った。「私は彼らに多くの貸しがある。一部だろうと取り返す」

トランプは、大統領選の最中だった2016年3月に、同盟国がアメリカに依存せず、自国防衛のために核武装するべきだと言って国際社会に衝撃を与えた。「頭のおかしい北朝鮮に対して、日本は自分たちで国を守った方がいい」と、当時のトランプは冷たく言った。

しかし、大統領に就任すると、日本に対する発言は少しずつ変わり始めた。「CNNマネー」によれば、大統領選の間、トランプは日本が大好きだと言い、「日本と素晴らしい関係を築けるだろう」と話していたという。

2017年2月、日本の安倍晋三首相がフロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」を訪問した際に、両者の「絆」が深まったのは、核・ミサイル開発を進める北朝鮮という共通の敵があったからだとCNBCは報じている。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、中国製半導体に関税導入へ 27年6月適用開始=

ビジネス

米耐久財受注、10月は2.2%減に反転 コア資本財

ワールド

米当局、中国DJIなど外国製ドローンの新規承認禁止

ビジネス

米GDP、第3四半期速報値は4.3%増 予想上回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    砂浜に被害者の持ち物が...ユダヤ教の祝祭を血で染め…
  • 6
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 7
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 8
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中