最新記事

メディア

シカゴ・トリビューン発行元、NYデイリー・ニュースを1ドルで買収 デジタル拡大狙う

2017年9月6日(水)10時54分

9月5日、「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」など米有力地方紙を発行する新聞大手トロンクは、新聞や不動産業界で著名なモーティマー・ズッカーマン氏から「ニューヨーク・デイリー・ニュース」を買収したと明らかに。写真は3月、ニューヨークのスタンドで撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」など米有力地方紙を発行する新聞大手トロンクは、新聞や不動産業界で著名なモーティマー・ズッカーマン氏から「ニューヨーク・デイリー・ニュース」を買収したと明らかにした。

トロンクが5日公表した届出書類によると、同社は1ドルの現金を支払った上で、ニューヨーク・デイリーの債務を肩代わりする。具体的には2650万ドルの年金債務と約3500万ドルの保険・報酬支払いを引き受ける。

ニューヨーク・デイリーは100年近い歴史があるタブロイド紙で、ピート・ハミル氏やジミー・ブレスリン氏といった著名なコラムニストが寄稿している。ただ、新聞業界全般の流れに沿った形で業況は下り坂をたどっており、「ニューヨーク・ポスト」など他のタブロイド紙と購読者や広告の獲得競争を強いられている。

一方でトロンクは、ニューヨーク・デイリーがウェブサイトだけの購読者を月間2500万人抱えている点に関心を持ち、トロンクのデジタル購読者層拡大が期待できるとみている。

コーエン・アンド・コーのアナリスト、ランス・ビタンザ氏は調査ノートで、ニューヨークはトロンクの事業基盤において明らかな空白部分だったと指摘し、買収によって同社は今後12─18カ月に利益とフリーキャッシュフローが増大すると予想した。

トロンクは4日夜、ニュージャージー州の印刷所を所有するズッカーマン氏関連の企業との合弁事業に49.9%出資する方針も示した。

ズッカーマン氏はニューヨーク・デイリー売却の意向を2015年2月に明らかにし、当時は売却価格を2億ドルと見込んでいた。だが、同年8月に売却を撤回していた。

[5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪首相、12日から訪中 中国はFTA見直しに言及

ビジネス

ドイツ輸出、5月は予想以上の減少 米国向けが2カ月

ビジネス

旧村上ファンド系、フジ・メディアHD株を買い増し 

ワールド

赤沢再生相、米商務長官と電話協議 「自動車合意なけ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中