最新記事

石油

石油の供給過剰、ロシアも減産合意なら解消早まる可能性

2016年10月12日(水)19時29分

10月11日、国際エネルギー機関は、OPECとロシアが石油の大幅な減産で合意すれば、過剰供給の解消が早まる可能性があるとの見方を示した。イラクのバスラで9月撮影(2016年 ロイター/ESSAM AL-SUDANI)

 国際エネルギー機関(IEA)は11日に公表した月報で、石油輸出国機構(OPEC)とロシアが石油の大幅な減産で合意すれば、過剰供給の解消が早まる可能性があるとの見方を示した。

 世界の石油需要の伸びを2017年は日量120万バレルとし、前月から予想を据え置いた。16年は日量約120万バレルに引き下げた。

 「在庫が減少し始める兆しはあるが、われわれの需給予測によれば、市場を放置した場合は過剰供給が来年上半期まで続く可能性がある。OPECが新たな目標を維持すれば、市場の均衡が早まることもあり得る」と分析した。

 「OPECの減産が実現した場合に市場のバランスにどのような影響を及ぼすかを現時点で予想することは難しい」とした上で、「リビアとナイジェリアの大幅な生産回復やイランのさらなる増加を踏まえれば、生産目標を達成するためにはサウジなど他の国が一段と減産する必要がある」と指摘した。

 OPECは先月、生産量を日量3250万─3300万バレルに引き下げることで合意している。

 IEAは、世界の原油需要は減少し続け、第3・四半期には4年ぶりの低水準となる日量80万バレルになったとし、経済協力開発機構(OECD)各国や中国の需要鈍化を理由に挙げた。

[ロンドン 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

ムーディーズ、フランスの見通し「ネガティブ」に修正

ワールド

米国、コロンビア大統領に制裁 麻薬対策せずと非難

ワールド

再送-タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 2
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任務戦闘艦を進水 
  • 3
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元に現れた「1羽の野鳥」が取った「まさかの行動」にSNS涙
  • 4
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 9
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 10
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中