最新記事

人道危機

死者47万人、殺された医師705人......シリア内戦5年を数字で振り返る

2016年3月16日(水)17時00分
ルーシー・ウェストコット、スタブ・ジブ

webw160316-02.jpg
シリアのアレッポ地域からバスでトルコ国境を目指す少女(2016年2月10日) Ammar Abdullah-REUTERS

161件

 開戦から昨年までの化学兵器による攻撃の数。シリア系アメリカ人医師会が、シリアの医師や医療関係者によるリポートや目撃談をまとめた。証拠が不十分な化学兵器使用はさらに133件ある。161件のうち、2012年は2件、2013年は35件、2014年は55件、2015年は69件と、年々増加してきた。使用された化学物質は塩素(64.6%)、サリン(1.9%)、マスタードガス(0.6%)、正体不明の毒ガス(32.9%)。

【参考記事】シリア内戦で高まるサリン使用の現実味

1492人、1万4581人

 上記161件の化学兵器使用による死者数と負傷者数。いずれもシリア系アメリカ人医師会が推定する最少人数。

705人

 2011年の開戦からこれまでに殺された医師と医療従事者の人数。人権のための医師団によると、その大半はシリア・アサド政権の軍隊に殺された。多くの医師が逃げるか、拘束されるか、殺されたが、東部の主要都市アレッポには今も約80人の医師が残っているという。

1万5525人

 シリアを出て保護者とはぐれるなど、一人ぼっちの子供の数(ユニセフ)。

5万+枚

「シーザー」という暗号名の元憲兵隊カメラマンがシリアから持ち出したとみられる写真の枚数。アサド政権による拷問や虐殺の模様を捉えたものとされる。ニューヨークのホロコースト博物館などで展示された。

30万6000人

 難民として生まれたシリア人の子供たちの数(ユニセフ)。

480万人

 2011年以降にシリアを出た難民の数。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、そのうち270万人がトルコに、100万人がレバノンに、63万9704人がヨルダン、24万6051人がイラク、11万8512人がエジプトにいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

伊ベネチア、観光客から入市料徴収 オーバーツーリズ

ビジネス

日産、中国向けコンセプトカー4車種公開 巻き返しへ

ワールド

訪中のブリンケン米国務長官、上海市トップと会談

ビジネス

独VW、中国市場シェアは2030年まで昨年並み維持
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中