最新記事

インタビュー

必ず「寝落ち」できる物語──異色の短編作家が紡ぐ5分で眠くなるストーリーの秘密とは

“I Had to Edit Out the Snake”

2018年07月27日(金)17時15分
ローラ・ベネット

WWW.PHOEBE-SMITH.COM

<リスナーを自然な眠りに誘う人気作家フィービー・スミスが語った、5分で眠くなるアプリ向けストーリーを書く秘訣>

目が冴えて眠れない。寝返りを打っても、羊を数えても、一度明かりをつけてストレッチをしてもダメ──。そんな状況に陥ったある晩、筆者は「眠りを誘う物語」を聴いてみることにした。リスナーを自然な眠りに誘うことを目的とした短編を集めたアプリが存在するのだ。

疑い半分で聴き始めた筆者が、その抜群の効果を認識したのは翌朝目覚めたとき。イライラするほどではない程よい退屈さのおかげで、最後まで聴き終わる前に眠りに落ちていたのだ。

物語の舞台は列車であることが多い。車輪音のリズムや外の木の葉の色などの些細な事柄が、ひどく細かく説明される。

フィービー・スミスは、このアプリ「カーム」の専属スリープ・ストーリーテラーという肩書を持つ。カームは昨年アップストアで「アプリ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた人気アプリで、眠りを誘う物語のほか、瞑想用の物語なども数多く収められている。

スミスは、カームでもトップクラスの人気作品を執筆してきた。例えば、南仏のラベンダー畑を舞台にした『ブルー・ゴールド』は、感覚が麻痺するほど退屈なストーリーが24分間続く。

「見なくても香りで分かる」と始まると、「その間違えようのない芳香が嗅覚を満たし、五感にしみ出し、たちまちうっとりするような香りで全身から力が抜けていく」といった具合だ。

良質な眠りを誘う物語を書くコツは何か。本誌ローラ・ベネットがスミスに話を聞いた。

writer02.jpg
スミスは一風変わった場所で寝る体験を書く旅行ライターでもある WWW.PHOEBE-SMITH.COM

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪、中国軍機の照明弾投下に抗議 南シナ海哨戒中に「

ワールド

ルーブル美術館強盗、仏国内で批判 政府が警備巡り緊

ビジネス

米韓の通貨スワップ協議せず、貿易合意に不適切=韓国

ワールド

自民と維新、連立政権樹立で正式合意 あす「高市首相
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    異例の熱波と水不足が続くインドで、女性が水を飲ま…

  • 1

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 1

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 2

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 3

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:日本人と参政党

特集:日本人と参政党

2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る