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廃棄パンの「第二の人生」がすごい!発酵で栄養満点の食材に

Recycling Bread Crusts

2025年4月3日(木)16時50分
ファン・フェリペ・サンドバル・ルエダ、デービッド・ブライアント(いずれも英ウェールズ大学アベリストウィス校生物環境農村科学研究所)
AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA SHUTTERSTOCK

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<アジアの伝統的な発酵法を利用すれば栄養たっぷりの植物性タンパク質に生まれ変わる>

ゴミとして捨てられるパンの量は驚くほど多い。世界中で毎年焼かれる1億8500万トンのパンの約10%が廃棄されている。その多くはスーパーマーケットや商業ベーカリーの売れ残り品だ。

私たちの最近の研究によれば、こうしたパンは菌類による発酵を利用することで新種の食品に生まれ変わる可能性がある。これは千年以上前からアジアの伝統的食品の製造に使われてきた方法だ。

小麦は世界で最も消費量の多い作物の1つであり、欧米人の食生活におけるカロリーとタンパク質の20%を占める。パン以外にもケーキやクッキーなどに欠かせない食材だ。国連食糧農業機関(FAO)によると、小麦粉は世界で毎年約7億6000万〜8億トン生産され、その多くがパンを焼くために使われる。

一方でパンの製造、特に小麦生産が環境に与える影響も大きい。2017年の英シェフィールド大学の研究によると、小麦の生産において、特に肥料の使用は、パンの製造プロセスに関連する温室効果ガス排出量の約40%を占める。加えて売れ残ったパンの廃棄がこの問題を悪化させ、大きな環境負荷を生み出している。

2つの課題の解決策に

私たちの研究は、固体発酵というやり方を採用した。豆類や穀類からテンペのような植物性タンパク質を豊富に含む食品を作るためにアジアで広く使われている発酵法だ。この方法で、伝統的に家畜用飼料として使われてきた牧草のタンパク質と一緒にパンを発酵させた。牧草のタンパク質は栄養分豊富で、廃棄パンを補完する理想的な成分だ。

こうして環境に優しく、廃棄パンの栄養価を高めた植物性タンパク質が生まれた。これは廃棄パンを貴重な食料源に変える持続可能な方法であり、食料廃棄と食料安全保障の両方の解決策になり得る。

世界人口は2100年までに102億人に増えると予想される。現在と同等またはそれ以下の農業資源でより多くの食料を供給するためには、革新的アプローチが欠かせない。私たちの発酵プロセスは、ゴミ処分場に送られる廃棄物と温室効果ガスの排出を削減する可能性を秘めている。

ちなみに、1ヘクタールの牧草地からは150~200キロの動物性タンパク質が生産できる。一方、牛や羊の飼料となるアルファルファなどの飼料作物なら、同じ面積で1.8~3トンのタンパク質ができる。

私たちは現在、このプロセスの商業利用を視野に入れ、民間企業と協力して膨大な量の廃棄パンを処理できる大規模施設の建設を目指している。

長い目で見れば、この革新的アプローチは世界の食料安全保障と持続可能性の向上に重要な役割を果たす可能性がある。廃棄されるパンを栄養価の高い食料源に変えることで、私たちの研究は大きな環境問題に取り組むと同時に、より持続可能な未来への道を開くことにもなる。

私たちの研究は、食品廃棄物の隠れた可能性を引き出す発酵の力を実証するものだ。今度、古くなったパンを見かけたら思い出してほしい。それは未来の食の一部なのかもしれない。

The Conversation

Juan Felipe Sandoval Rueda, PhD Candidate in Alternative Proteins at the Institute of Biological, Environmental and Rural Sciences, Aberystwyth University and David Bryant, Senior Research Fellow & Synthetic Biologist, Aberystwyth University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.


【参考文献】

Sandoval, J.F., Gallagher, J., Rodriguez-Garcia, J. et al. Improved nutritional value of surplus bread and perennial ryegrass via solid-state fermentation with Rhizopus oligosporus. npj Sci Food 8, 95 (2024). https://doi.org/10.1038/s41538-024-00338-y

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