最新記事

インタビュー

「万病の根源って『仕事』じゃないですか...」 のんびり屋として生きてきた彼女の心の充電法

2020年8月12日(水)16時20分
채널예스 ch.yes24.com 翻訳:生田美保

――『死にたいけどトッポッキは食べたい』から始まって、2018年によく読まれた本にはいつもダンシングスネイルさんのイラストがありました。今回の本は、今までとイラストのテイストがちょっと違うように思いますが。

私はたいてい何事においても遅い人なんですが......。遅いというと、なんだか慎重で凝り性のように思うかもしれませんが、実は、散漫なところもあって、飽きっぽいほうなんです。絵を描くときも同じ材料や技法を繰り返すのが苦手で。

それで、いろんな材料を使って作業をします。絵の具を使う日もあれば、色鉛筆を使う日もあったり、またあるときはオイルパステルを使ったり。

これまで表紙の仕事をするときは発色のいい絵の具を主に使いましたが、今回の本はカットイラストでストーリーを展開していくので、ぬくもりのある色鉛筆を使いました。最大の理由は、色鉛筆のほうが簡便ではやく描けるので、たくさんのカットを描くのに向いているからです。

色を塗らない「ラインドローイング」方式にこだわったのも、実ははやく描くためです。色を塗りながら全てのストーリーを描いていくには私の手では時間がかかりすぎるので。

――本に紹介されている「空っぽの心を充電する私だけの小さな儀式」(編集部注:計12の儀式が載っている)が共感できて面白いです。本に出ているもの以外にも、最近ご自身の心を満たす充電法がありますか。

多くの方が同意なさると思いますが、実は万病の根源って「仕事」じゃないですか。仕事さえ辞めればすべて解決するように思うんですが、私も家賃収入で食べていけるビルのオーナーとかではないので、そんなことはできません。

心の充電にも、体の充電にも、休むのが一番だということは知っていますが、休める時間が絶対的に足りないのが問題です。だから、自分に与えられた休息時間をどう活用するかがカギだと思います。

かれこれ10年くらい、私にとって一番の特効薬は「部屋にこもって一人でアメリカのドラマを見ること」です。普段から考え込みやすく神経質なほうなので、意識的に頭を空にする時間を作らないと、過負荷になってすぐにバーンアウトしてしまうんです。

だからドラマも、新しいものではなく、前に見たものを繰り返し見るタイプです。新しい内容を見ると、理解するために脳が活発に運動しなくてはなりませんが、知っている内容を見るのなら、脳がぼーっと休めるので。

海外ドラマで英語の勉強をするわけでもないのに、繰り返し同じものを見るのは時間のムダのように映るかもしれませんが、そうやって充電する時間を取らないと、新しい創作ができないんです。

同じ理由で、今年新たに誓ったのは「嫌いな人と無理して会わないこと」です。人間関係のミニマリズムを実践しようと思っています。対人関係においても心理的に疲れやすいほうなので、意味のない関係を維持しようとムリをせずに、その時間をもっと大切な人たちに使って、心を充電したいと思います。

【関連記事】人気イラストレーター、ダンシングスネイルが提案する「完璧主義な自分を抜け出す方法」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国大手銀行、高利回り預金商品を削減 利益率への圧

ワールド

米、非欧州19カ国出身者の全移民申請を一時停止

ワールド

中国の検閲当局、不動産市場の「悲観論」投稿取り締ま

ワールド

豪のSNS年齢制限、ユーチューブも「順守」表明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 5
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中