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日本経済

ドル安で浮かび上がる「リスクオフ時の円高」

2020年7月28日(火)10時04分

クロス円が示す円高リスク

今回の円高は円以外の要因で進んでいる。しかし、連休中の薄商いの中とはいえ、1日で1円動くという急激な円高は市場関係者の脳裏に、リスクオフ時の円高という「残像」を浮かび上がらせるのには十分だったようだ。

SMBC日興証券のチーフ為替・外債ストラテジスト、野地慎氏は「慢性的な低インフレで日本の実質金利が高いことや、米中対立の激化懸念からリスク回避の環境下で円が買われやすかった以前の外為市場の行動パターンがよみがえった」と指摘する。

世界的な金利低下による調達通貨としての円の地位低下などを要因に、最近はキャリートレードの巻き戻しを起因とする「リスクオフの円高」は起こりにくくなっている。しかし、今回のように外部要因が原因であっても、リスクオフ時に円高が進むと、その流れに投機筋などは乗りやすくなる。

実際、足元ではクロス円でも円高が進んでいる。対ユーロでは、6月後半からのユーロ高・円安の反動が起きている可能性もあるが、オーストラリアドルやニュージーランドドルに対しても足元は円高だ。ドル安主導とはいえ、クロス円の円高進行は円高リスクの高まりを示す。

金融市場全体を見渡すと、足元で進むのは安全資産の価格上昇だ。過去最高値に迫る金だけでなく銀も約7年ぶりの水準に上昇、スイスフランも高い。その中で円高の「残像」が強くなった円も、買われやすい状況にある。市場では1ドル105円を割り込む可能性は大きいとの見方が増えている。

(伊賀大記 取材協力:森佳子 編集:内田慎一)

[ロイター]


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