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新型コロナウイルス

新型コロナウイルスで部品枯渇 自動車業界にサプライチェーン危機

2020年2月9日(日)12時08分

東日本大震災の教訓

アリックスパートナーズのハーシュ氏によると、自動車メーカーは重要部品に関しては以前よりも代替調達手段を拡充している公算が大きい。各メーカーや主なサプライヤーは、2011年の東日本大震災で重要部品の仕入れに支障が出た教訓を踏まえ、1つの部品工場が壊滅した場合に組み立てラインが止まるリスクを減らそうとしている。

生産設備に柔軟性を与え、部品生産先の切り替えや再設定もできるようになっている。例えばフォード・モーターは、ミシガン州のサプライヤーの工場火災で収益性の高いピックアップトラックの生産が脅かされた際には、すぐにカナダ・オンタリオ州の工場に生産施設を移した。

それでも湖北省の部品生産全てを他で調達する、あるいは別の地域に施設を移転させるのは容易でない。IHSマークイットが先週公表した調査では、湖北省は中国の自動車生産の3分の2強を支える国内11省の1つだ。

IHSは、湖北省で工場の部品生産停止が3月まで続けば、中国国内の自動車生産は相当落ち込み、第1・四半期全体で170万台を超える減産になると予想した。

[ロイター]


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