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【写真特集】米軍撤退が招いたタリバン大攻勢

THE TALIBAN IS MARCHING IN

Photographs by EMANUELE SATOLLLI

2021年08月17日(火)17時30分

アフガニスタン北東部バグラン州の村に立つ少年。タリバンの勢力が最も強い地域で、国家保安局(NDS)に支援を受けた親政府武装勢力も活動する

<米諜報機関は、早ければ米軍撤退から6カ月以内に政府が崩壊すると警告していたが......>

アフガニスタンの主要基地から米軍が去ったのは7月2日のこと。20年に及ぶアメリカ最長の戦争は、ジョー・バイデン大統領の出口戦略を受けて加速度的に進んできた。

その一方で、アメリカの諜報機関はかつての見通しが楽観的だったことに気付いたようだ。イスラム原理主義勢力タリバンが急速に失地回復している状況を踏まえて、アフガニスタンは早ければ米軍撤退から6カ月以内に崩壊すると警告を発した(編集部注:タリバンは8月15日、首都カブールの大統領府を占拠し「勝利」を宣言した)。

実際、首都カブールからわずか数キロに迫る中部ワルダク州では襲撃が続いている。駐在する警察幹部は「タリバンは闇夜にレーザーガンを使い攻撃を仕掛ける」と言う。「昨夜も1人の仲間が死んだ」

その地域から程遠くない場所で、フォトグラファーのエマヌエーレ・サトーリはタリバン司令官の1人ムハンマド・ナジルに出会い「領土をめぐる戦いは宗教的取り組み」だと告げられた。「外国勢力は去らねばならない。それが終わればイスラム的価値観に基づいた政府が樹立され、平和が訪れる」

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タリバンから分離した武装勢力の兵士たちが北西部ヘラート州の山岳地帯で警備に当たる


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タリバン政権時代に「宗教警察」のトップとして極端な原理主義的政策を許容した宗教指導者のモールビ・クァラムディン


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タリバンからの分離組織で副長を務めるアブドル・マナン・ニアジ(中央)は5月に襲撃され死亡したが息子が後継者となり組織活動は続いている


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タリバンが支配するワルダク州ニルク地区にある村の女性(右)は髪の毛を隠すだけのヒジャブでなく全身を覆うブルカを着用しなければならない

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