イスラエル、「テロ攻撃」認定のパレスチナ人死刑法案を可決
写真はネタニヤフ首相。3月19日、エルサレムで代表撮影。REUTERS
Maayan Lubell Pesha Magid
[エルサレム 30日 ロイター] - イスラエル国会は30日、「テロ攻撃」でイスラエル人を殺害したと軍事法廷で認定されたパレスチナ人に原則として死刑を適用する法案を可決した。国内外からは批判が広がっている。
イスラエルは1954年、通常の殺人罪に対する死刑を廃止。その後民間人対象の法廷で死刑判決を受けて執行されたのは、1962年の元ナチス高官のアドルフ・アイヒマンだけだ。
ネタニヤフ首相と連携する極右勢力が主導していた今回の法案には、判決から90日以内に絞首刑を執行することを求める規定が含まれ、一定条件の下で執行の延期が認められるが、恩赦を受ける権利はない。ただ死刑の代わりに終身刑を科す選択肢も設けられている。
ヨルダン川西岸地区に設置された軍事法廷では、既にテロ攻撃でイスラエル人を殺害したパレスチナ人に死刑判決を科すことは可能だったが、これまで実際にそうした判決が下されたことはなかった。
法案を提唱してきた極右のベングビール国家治安相は「本日は殺された人々にとって正義の日、敵にとっては抑止の日だ。テロを選べば誰でも死を選ぶことになる」と語った。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、この法律は国際法違反で、パレスチナ人を威圧する意図があるが、失敗に終わる試みだと切り捨てた。
アッバス氏は「このような法律や施策でパレスチナ人の意思がくじかれたり、その不屈の姿勢が損なわれたりすることはない。また自治、独立、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立に向けた正当な闘争を続けるのを思いとどまらせることもできない」と強調した。
イスラム武装組織ハマスとイスラム聖戦は、法案可決の報復としてイスラエル人への攻撃を開始するようパレスチナ人に呼びかけた。
一方、イスラエル国内の有力人権団体も、この法律は「パレスチナ人に対する制度化された差別で、人種主義的暴力行為だ」と強く非難した。
またイスラエル公民権協会は、この法律に関して最高裁判所に違憲申し立てを行ったとしている。
英国、ドイツ、フランス、イタリアなどは、法案が投票に付される前から批判の声を上げていた。
国連の専門家グループは、法律には「テロリスト」という用語の定義にあいまいな部分があり、結果的に「本来は真にテロとは言えない行為」にも死刑が科されかねないと懸念を示した。
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