サウジアラムコ、原油輸出をホルムズ海峡から紅海側に一部転換へ=関係者
サウジアラムコのロゴ。2019年10月12日、サウジアラビアのクライス郊外で撮影。REUTERS/Maxim Shemetov
Nidhi Verma Ahmad Ghaddar Georgina McCartney
[ロンドン/ニューデリー/ヒューストン 3日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは、一部の原油輸出ルートを、イランから攻撃されるリスクがあるホルムズ海峡を避けて紅海側に切り替える方針だ。複数の関係者が3日明らかにした。
米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、イラン側はホルムズ海峡を通航する船舶を攻撃すると警告。サウジや他のペルシャ湾岸産油国は同海峡を経由する原油輸出が不可能になっている。
これに伴って産油国は貯蔵施設の容量を考慮し、生産を減らさざるを得なくなる恐れが出てきた。既にイラクは日量150万バレル弱の減産に踏み切った。
しかしアラムコは、紅海に面するヤンブーの港から一部原油を輸出することで減産を回避しようとしている。
3人の関係者の話では、アラムコは複数の買い手に対して、ヤンブーで原油を積み込む必要があると伝えたもようだ。
アラムコはコメント要請には回答していない。
ケプラーのデータによると、サウジは2月に日量720万バレル前後の原油を輸出し、そのうちホルムズ海峡経由が638万バレルだった。
一方、サウジは「東西パイプライン」を利用し、東部の油田地帯から紅海側に原油輸送が可能で、輸送能力は日量約500万バレルとされる。2019年には天然ガス液(NGL)用パイプラインも原油輸送に転換して一時的に700万バレルを運んだケースもある。
ただこうしたパイプラインで運ばれた原油について、ヤンブー港に積み込み作業の対応能力があるかどうかは不透明だ、とトレーダーや買い手は指摘する。ケプラーのデータに基づくと、過去にヤンブーから最も多くの原油が積み込まれた2020年4月でも日量150万バレルに届かなかった。
コンサルティング会社エナジー・アスペクツの共同創業者リチャード・ブロンゼ氏は「物流面でトレードオフが存在する。その中には、ヤンブー原油ターミナルが持続的にどのぐらいのスピードで積み込みができるかという点も含まれる」と述べた。
またトレーダーや買い手、専門家らは、東西パイプライン自体がイランやその同盟勢力から攻撃される対象になり得るとも懸念している。
イスラエルとイスラム組織ハマスが戦闘を繰り広げていた局面では、紅海を通航する船舶がイエメンの親イラン武装勢力フーシ派に攻撃された。
アラムコとは別に、アラブ首長国連邦(UAE)もホルムズ海峡を避けて一部の原油を輸出できる「アブダビ原油パイプライン(ADCOP)」、別名ハブシャン・フジャイラ・パイプラインを保有。ADCOPは日量150万バレルの輸送能力があり、アブダビの油田とオマーン湾に面するフジャイラ港をつないでいる。
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