ニュース速報
ワールド

フィリピン第3四半期GDP、前年比+5.2%に鈍化 前期比では加速

2024年11月07日(木)17時39分

 11月6日、フィリピン統計局が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増加で、前四半期から減速し、エコノミスト予想(5.7%増)を下回った。写真は市場で売る前に玉ねぎの根を取り除く労働者達。フィリピンのケソンで昨年2月撮影(2024 ロイター/Eloisa Lopez)

Neil Jerome Morales Mikhail Flores

[マニラ 7日 ロイター] - フィリピン統計局が7日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増加と、1年以上ぶりの低成長となった。悪天候により一部政府歳出に遅れが出たほか、農業生産にも影響が及んだ。一段の金融緩和が必要なことを示す結果となった。

エコノミスト予想の5.7%増を下回り、2023年第2・四半期の4.3%増以来の低い伸びとなった。

第2・四半期は6.4%増に上方修正された。

年初来の成長率は5.8%となり、政府の目標である6.0─7.0%を下回ったが、当局者はインフレ率の低下や金融緩和により、第4・四半期は成長が再び加速すると予想している。

バリサカン国家経済開発庁長官は記者会見で「高額消費財や資本集約型インフラへの投資を中心に、民間支出の伸びが促進されると期待している」と述べた。成長率目標の達成を楽観していると語った。

第3・四半期は6回の嵐に見舞われため、政府のプロジェクトが遅れ、農業生産が落ち込んだ。

農業生産高は3.7%減と約4年ぶりの大幅なマイナスとなった。第2・四半期は3.2%減だった。政府支出は5%増と、前四半期の11.9%増から急減速した。

その一方で、個人消費の伸びは4.7%から5.1%にやや拡大した。

個人消費の改善を受けてGDPは前期比で1.7%増加し、エコノミスト予想(1.5%増)を上回った。

バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)の上級エコノミスト、エミリオ・ネリ氏はメモで、「フィリピン中央銀行は今後数カ月にわたり利下げを続ける可能性があるが、内外の事情を考慮すると、積極的に引き下げを行う公算は小さい」との見方を示した。

中銀は12月19日に次回の政策決定会合を開催する。

バリサカン氏は「中銀は利下げを継続すると予想しており、投資、特に民間建設を促進するだろう」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米軍、ダマスカスの空軍基地に駐留拠点設置へ=関係筋

ワールド

東部要衝ポクロフスクで前進とロシア、ウクライナは包

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米株安の流れ引き継ぐ 

ビジネス

世界のヘッジファンド、55%が上半期に仮想通貨へ投
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中