ヒズボラ指導者の後継候補2人を排除=イスラエル首相
イスラエルのガラント国防相は8日、親イラン武装組織ヒズボラの次期指導者と目されていたサフィエディン師(中央)が排除されたようだと述べた。写真は7月、レバノンで撮影(2024年 ロイター/Aziz Taher)
[エルサレム 8日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は8日、イスラエル軍が空爆により親イラン武装組織ヒズボラの後継候補の2人を殺害したと発表した。後継者候補の名前には言及しなかった。
ネタニヤフ首相はビデオメッセージで「われわれはヒズボラの能力を低下させた。(先月殺害されたヒズボラ最高指導者)ナスララ師と後継者、そして後継者の後継者を含む数千人のテロリストを排除した」とし、「ヒズボラはここ長年見られなかったほど弱体化している」と言明した。
ガラント国防相もこれに先立ち、ヒズボラの次期指導者と目されていたサフィエディン師が排除されたようだと述べた。
ガラント氏はイスラエル軍北部司令部の将校らに対し「ヒズボラは指導者のいない組織だ。ナスララ師は排除され、その後任もおそらく排除された。決定を下す者も、行動する者もいない」と語った。それ以上の詳細は明らかにしなかった。
イスラエル軍のハガリ報道官は、4日にイスラエルの戦闘機がヒズボラの情報本部を爆撃した際、サフィエディン師が同本部にいたことを、イスラエルは把握していたと明らかにした。サフィエディン師の生死については「調査中であり、分かり次第発表する」と述べた。
4日の空爆以来、サフィエディン師は公に姿を現していない。
サフィエディン師はナスララ師の暗殺以来、ナンバー2のナイム・カセム師とともにヒズボラを率いていた。
カセム師は8日のテレビ声明で、ヒズボラは新しい指導者を選出し、決まり次第発表すると明らかにした。
ネタニヤフ首相は「イスラエルには自国を守る権利があり、勝利する権利もある。イスラエルは勝利するだろう」と述べた。
さらに、レバノンは「国を取り戻し」、平和と繁栄の道に戻るべきで、さもなければヒズボラはレバノンを犠牲にし、イスラエルと戦い続けると警告。「ヒズボラはレバノンがさらに大規模な戦争に巻き込まれることもいとわない」とし、「パレスチナ地区ガザで見られるような破壊と苦しみにつながる長期戦争の奈落の底に落ちる前にレバノンを救うチャンスはある」と述べた。